人を説得するときには理詰めにしない
私が理系だからというのももしかしたら一因なのかもしれませんが,
他者を説得しようとするときには物事を理詰めで話がちです.
理論的に正しければ相手も納得せざるを得ないはずだと思っていましたが,
現実には余計に拗れることの方が多いです.
これはなぜでしょうか.
個人的な考えではありますが,
理詰めの説得で話が拗れる最大の要因は,
聞く側の感情に配慮出来ていないことが多いからなのではないかと思います.
まず理論的な説明を受けて内容を理解出来ているかを考えると,
理解出来ていれば良いですが,
理解出来なければよく分からないと思って
適当なことを言っているのではないかという不信感を抱く可能性があります.
また理解出来ているかどうかに関わらず,
聞く側は説き伏せられることによる敗北感と
それに対する反発心を抱くかもしれません.
理論的な説明というのは理論が理解でき,
かつその理解の際に悪感情を抱かないときに
初めて納得が出来るのでしょう.
そのためにはただ機械的に説明をして理解させるのではなく,
相手の感情に配慮して伝え,納得して貰う必要があるのだと思います.
自分が正しいと思ったときは,
その認識を拠り所として一旦心を落ち着かせ,
どうしたら相手の感情を害せず説得出来るかというところまで
視野を広げられると良いのではないでしょうか.
他者に求める理想と現実
自分だけに関わることは自分の力でどうにでもなりますが,
他者が関わるとそうはいきません.
他者は自分の関与で少し変えることは出来ても,
本質的な部分では自分の思い通りにはならないのです.
それなりに距離を置いた関係性であれば,
相手が思い通りにならなくてもしょうがないと思えるのですが,
身近な人間が相手だとそうはいきません.
これは相手の行動が自分の生活に直接関わるため,
どうにも出来ない自分のこととなって気になってしまうからではないでしょうか.
このジレンマを乗り越えるにはどうすれば良いかを考えると,
結局のところ他者は自分の思い通りにはならないことを受け入れ,
思い通りにならない中で自分のために動くというところに落ち着きます.
今回書いたような解決法は過去にも書いていたと記憶していますが,
こうしてまた書いている時点で,それを実践出来てない現実に恥じ入ります.
他者が思い通りにならない現実を受け止め切れるようになるのが先か,
それとも自分が世を去るのが先かという次元の問題なのではないかとも思いますが,
少しずつでも自分を成長させ,
他者の動向に心を動かさないで済むような人間になっていければと思います.
評価ポイントの違い
人間自分が頑張った点は評価されたいものだと思います.
試行錯誤した部分,特に時間をかけた部分など,
やったことの中で思い入れが強くなるのは,
そういった手間のかかった点でしょう.
しかし現実には中々そういった点を評価されることはありません.
仕事の片手間に作った
効率向上のマクロやバッチファイルなどの方が
手間取った仕事よりも評価され,
釈然としない思いを抱くこともあるかもしれません.
そうはいっても評価する側の目線で考えれば,
これは当たり前のことでしょう.
評価する人にとっては結果が全てです.
どんなに手間をかけようが,片手間の仕事であろうが,
出来上がったものの質こそが判断材料になります.
そして評価する人にとって益のあるものであれば,
例え片手間で作られたようなものでも,
印象は良くなるでしょう.
我々には過程を評価して欲しいという気持ちが少なからずありますが,
残念ながら過程は相手からは見えませんし,
同じ仕事をして貰うのでもさっとやる人と物凄く頑張る人だったら
次はさっとやる人にお願いしたいとなるでしょう.
自分のやる仕事について評価するのは他者ですから,
他者がどのような点を重視するのか,
他者がどのように感じるのかを考えて仕事に望み,
もし自分にとって重要じゃないところが評価して貰えたのならば,
その点を踏まえてどんなことをすればよいのかを
考えてみるのもありかもしれませんね.
人間と働きアリの法則
働きアリの法則というのは,
働きアリは物凄く良く働くのが2割,普通に働くのが6割で,
残りの2割は何もしないというもので,
良く人間社会に当てはめられる話だと認識しています.
何もしない2割でいても差し支えないのならば良いですが,
人間社会においては何もしない2割は不要と思われ,
居場所を失うことも少なくありません.
そして残った8割はまた同じように2:6:2になっていくようです.
我々は生きていく上で何もしない2割にならないよう
心がける必要があります.
そのためには気を抜かず目の前のことに
真面目に取り組まなければなりません.
しかし現実には気を抜かずにいるということは難しく,
節目節目の一区切りで気が抜け,
人によってはそのタイミングで
何もしない2割に入ってしまうでしょう.
気を抜かずに人生を走りきるというのは難しく,
実際にそう生きている人はいないでしょう.
とはいえ普通に働く6割に収まる程度に頑張るのでは,
何もしない2割が淘汰されていく中で,
ふとしたときに最下層に落ち込むかもしれません.
色々経験をして周りの人との差を認識すると,
自分に限界を設けてしまうかもしれません.
それでも歯を食いしばり,
良く働く2割でいられるよう頑張れたらと思います.